2017年の夏、め組。にまた新しい品種が誕生しました!
既にトップページでもご覧頂けたかとは思いますが、その名を「ロミオとジュリエット」と言います。

え?何故こんな名前?と皆さん思われることでしょう。

それには訳があるのです。

そもそもこの品種が誕生するまでには、非常に面白い出来事がきっかけとなっています。

め組。が日夜、改良品種を誕生させるべく交配組をさまざまなパターンで行っている作業工程の中で、たくさんの小分け水槽に一旦メダカをペア組します。その組み上げたペアリングは見た目の相性や規定上の厳しいチェックをした上で、繁殖工程にまで持ち込む、持ち込まないのジャッジメントをしているのです。

そうした作業をしている際に、数ペアのパターンはマッチングしなかったので、一通りの作業が終わるまで、しばらく一カ所に固めておいていました。


その後、作業を終え、アンマッチングペアの水槽を解散させようと思い、水槽をふと見ますと、その瞬間!一匹のオスが隣の水槽までジャンプし無謀にも乗り移ったのです。そしてオスはその水槽の中で軽快に泳ぎ回って見せたのです。

そんな光景はメダカ飼育をしていれば、あまり珍しくない珍事でもあるのですが、ただ、その飛び移ったオスを良くみておりましたら、しばらくしてその水槽に元々いたメスに非常に強く求愛行動をはじめたのです。

その姿が非常に情熱的で美しく、メダカの求愛行動を見慣れているめ組。でもしばらく作業をとめ見入った程でした。

そんな出来事があり、このペアはそのままにしておこうと思い、繁殖コードのタグには少し冗談のつもりで、情熱的で恋愛の象徴『ロミオとジュリエット』とし、イニシャルの『RJ』と記入したのです。

それからしばらくして、繁殖ブロックのデータ整理をしていたある日、一つのことに気づきました。

数十匹いる世代別 水槽の中で、綺麗に2種類の色のメダカがいる水槽があるのです。それがなかなか面白い現象で、タグを見てみると、その『RJ』だったのです。また更にそこから面白い現象を見たのです。その水槽はまだ幼魚なのですが、上から全体を見た時に、色別に性別が分かれているように、思えました。

じゃぁ?!それなら!と、実際に軽く選別をしてみたのです。

そうすると、どうでしょう!

極めて高い確率で、このメダカが性別別に色が分かれて出現していることに気づいたのです。その後、め組。はこの面白い現象をより精度を高めるよう、ブリーディングを繰り返しました。そうして仕上がったのが、この品種なのです。

面白いことに、メダカがまだ出来上がっていない頃から、このメダカの品種名は決まっていたのです。

一匹のオスがとった行動から誕生したこの品種にめ組は。何かの運命を感じずには言られません。

まさに、メダカ自身が選択した情熱的な求愛であったとして思いたい程です。

ちなみに、言い遅れましたが、本品種の容姿の魅力は、オスはイエロー系のボディーに虹色のラメを纏っています。またメスはスノーホワイト系のボディーに虹色のラメを纏っています。これらが極めて高い確率で数代に渡り「産み分け」されてきました。またそれが、この数代のブリーディングで磨き上げ、非常に高いクオリエティーの美しい品種となりました。

メダカ飼育をしているとメダカという生き物を通じてさまざまな経験をし発見をします。今回の経験も非常に興味深くメダカの神秘的な力を感じました。この神秘的な現象を多くの皆さんも味わって頂きたいです。

どうぞ今後とも、新品種『ロミオとジュリエット』を宜しくお願いいたします。